第19回日本病院総合診療医学会学術総会(教育講演1)

第19回日本病院総合診療医学会学術総会(教育講演1)

医学研究のここが知りたい!資金獲得、海外留学、メンタリングのTips-
座長:多胡雅毅
演者:鋪野紀好、髙橋宏瑞、和足孝之

[企画概要]
本教育講演では、様々なフィールドで臨床研究を第一線で実践している総合診療医の先生方を講師としてお迎えし、実体験に基づいてご講演いただく。また参加者の皆様の疑問に答える形式で、講師の先生方とのディスカッションを予定している。臨床研究に関する具体的な取り組みや実践方法、学会発表や論文執筆などの発信方法、さらには研究費獲得に至るまでを、これから臨床研究に取り組もうと考えている総合診療医の先生方とともに学びたいと考える。
総合診療領域の研究対象は、医学教育から臨床までと非常に幅広い。医学教育では卒前、研修医、総合診療専攻医、指導医まで、また臨床においては在宅、外来、入院、ICUに至るまでと、すべての事柄が研究対象となりうる。一方で特定の疾患や治療法の効果など、介入と結果が明確に示しやすい臓器別専門領域と違って、一見するとそれらの定義が難しく見え、また大学等の研究を実践しやすい環境の外に勤務する臨床実践家も多いため、総合診療領域では臨床研究が敬遠されがちである。日頃実践しているフィールドでの臨床知を、臨床研究によってエビデンスとして示すことは、たとえ臨床家であったとしても、一医師として、また一科学者としての責務である。また我が国の総合診療領域から良質なエビデンスを多数積み重ねていくことが、領域の専門性の確立に繋がり、さらには日本、ひいては世界全体の医療技術の向上につながると考える。
本企画が、参加者の皆様の「臨床研究実践の第一歩」を後押しし、将来の総合診療領域の共同臨床研究ネットワーク作りや、メンタリング体制構築に一役買うことができれば幸いである。

[資料]
教育講演1_鋪野紀好
教育講演1_和足孝之

[抄録]
hgm19_教育講演1

[セッションを終えて]
研究経験が豊富な3名の先生方をお招きし、鋪野先生に研究資金獲得、髙橋先生に留学と語学習得、和足先生に研究メンタリングについてお話頂きました。学術大会でこのようなテーマを扱うことは稀であり、初心者から上級者に向けて非常にためになる内容でした。発表後の総合討論の中では、症例報告の重要性、研究メンタリングシステムの構築について、臨床研究の第一歩などについて議論を行い、充実したセッションとなりました。
ご講演頂いた先生方、ご参加いただいた先生方、誠にありがとうございました!