- JUGLERセッション
- 2024.9.7
第29回日本病院総合診療医学会学術総会(JUGLER1)
総合診療医の分類手法の開発-総合診療医学の明確なエビデンスを構築するために-
座長:多胡雅毅、鋪野紀好
演者:志水太郎、佐々木陽典、和足孝之、髙橋宏瑞
[企画概要]
日本では総合診療医に病院総合診療医、家庭医、プライマリ・ケア医が含まれており、同一の呼称であってもセッティングによって果たしている役割が大きく異なる。これまでに総合診療医に関する様々な研究が実施されているが、それぞれの研究で総合診療医の定義が多様であり、その背景が均一でないため研究の標的集団が不明瞭となっていた。つまり役割や業務内容が多様な日本の総合診療医を対象とした研究のエビデンスは、他の異なる現場で利用することが困難である。本邦の総合診療医を対象とした研究の標的集団が明確になれば、総合診療医学に関するエビデンスの蓄積が更に促進されるものと考えられる。
本シンポジウムは、曖昧な指標で定義されていた総合診療医を、客観的な指標で分類する手法を開発することを目的とする。本企画内では、背景と意義について詳細に解説し、さらにJUGLER (Japan University General medicine Leadership and Education Roundtable :日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議)のメンバーが文献レビューをもとに考案した総合診療医の分類手法案を提示する。具体的には、総合診療医が働く場所の診療(患者数、病床数など)・教育(医学生の受け入れなど)・研究(テーマ、外部資金など)の実践に関する客観的な指標を用いて分類する予定である。そのうえで、参加者からのパプリックコメントを募集し、分類手法のさらなるブラッシュアップを図る予定である。最後に本分類手法は領域の分断を図るものではないことを明記したい。総合診療医学領域の発展のために、多くの関係者にご参加いただき忌忌憚ないご意見をいただければ幸いである。
[抄録]
hgm29_JUGLER1