- シンポジウム
- 2019.9.14
第19回日本病院総合診療医学会学術総会(シンポジウム4,5)
シンポジウム4
9月14日(土) 「病院総合医育成のcore module by JUGLER 第2部 ―意見交換を中心にー」
シンポジウム5
9月15日(日) 「病院総合医育成のcore module by JUGLER 完結編 ―提言と未来に向けてー」
座長:多胡雅毅
シンポジスト:志水太郎、佐々木陽典、和足孝之、鋪野紀好、髙橋宏瑞
9/14-15の2日間にわたってJUGLERシンポジウムを開催しました。
1日目は、JPCA後に行ったアンケート調査の結果と、それをもとに修正した新core moduleを公開し、core moduleの問題点、ソーシャルスキル、目指すべき病院総合診療医像などについてフロアと意見交換を行いました。指導医クラスの先生方のご意見もさることながら、学生や研修医からの意見も非常に参考になりました。
2日目は、前日の議論を踏まえて、core moduleを提言として示しました。その後コアメンバーのモジュール自己評価結果をレーダーチャート化し、目に見える形で病院総合医像のロールモデルを示すということに挑戦しました。それぞれのメンバーの特色がよく出ていたと思います。
討論では「学位取得」や「大学ポスト適任者の不在」、「総合診療の臨床研究」などがテーマとなりました。
議論の後にJUGLERの今後の展望として、以下を示しました。
・core moduleのブラッシュアップ
・論文作成
・提唱と普及
・研修施設可視化による教育リソースの共有=地域、大学、病院などの枠組みを超えた育成
これらにより「多数の総合診療リーダーを輩出する」ということを最終目標として、今後も取り組みを続けていきたいと思います。
コアメンバーの先生方、ご参加いただいた先生方、ありがとうございました!
[企画概要]
日本において総合診療医は病院総合診療医と家庭医に大別される。病院総合医の役割は市中病院、地域中核病院、大学病院などのセッティングによって大きく異なり、多数の団体の認定制度(日本プライマリ・ケア連合学会、日本病院総合診療医学会、日本病院会、地域医療推進機構)が乱立し、その定義は明確でない。これに加えて、高度専門医療への特化と採算性が求められる大学病院では、病院総合診療医に求められる役割や存在価値が不明確である。
我々はこのような状況を打破すべく、大学病院で総合診療を実践する若手リーダーをコアメンバーとした、JUGLER: Japan University General medicine Leadership and Education Roundtable を立ち上げた。本グループの最終目標は、我が国の医学生や研修医が「心から目指したい」と思えるような病院総合診療医像を明確にすること、その目標を達成するための育成方法を大学・地域間の垣根や、学会や専門医制度等の既存の制度の枠組みを超越して考えること、その方法を教育の中心であるべき全国の大学病院総合診療部門で実現していくことである。我々は議論を重ね、大学で病院総合診療医を目指す医学生や初期研修医に明確で具体的な目標を示すべく、病院総合診療医育成のcore moduleを作成した。2019年6月には日本プライマリ・ケア連合学会学術総会で初案を示し、参加者と議論を深めた。
本大会ではプライマリ・ケア連合学会での「第1部」JUGLERセッションで検討すべきとした項目と全国の協力メンバーからの意見を集約し、コアメンバーで修正した新core module案を提示する。
初日の「第2部」と称したセッションでは、この新案について、様々な視点から議論を尽くしてブラッシュアップを行う。また各論として、core module習得の意義や方法について、コアメンバーの経験を基にした討論を行う。
2日目の完結編では、第2部の意見を踏まえた病院総合診療医育成のcore moduleを最終案としてまとめ、プロダクトとして提言する。それとともに、大学病院総合診療部門の実情と求められる役割についても、JUGLERから提言を行いたい。その上で、大学の病院総合診療の未来について、参加者を含め充実した討論を行いたいと考えている。
[資料]
シンポジウム4,5